山科大事典　あ

鏡山次郎　作

名前	写真	解説	備考
安朱地域		【安朱地域について】 　古代の条里制によれば、この地は「三条十九里」に相当し、「石雲北里」の里名を持っていました。平安時代初期には仁明天皇女御の藤原順子によって安祥寺の上寺が、現安祥寺山中の観音平付近に建立されています。 　「安朱」という地名の由来については、『京都府山科町誌』（京都府山科町役場発行　１９３０）は、次のように書いています。「此の地も往時は山科郷に属し、北方を安祥寺と称し、南方を朱雀と唱えていたが、何れの頃よりか合併せられて、安朱と改構するに至った。」また、『史料京都の歴史１１山科区』（京都市編　平凡社　１９８８）によれば、「当（安朱）村は、もと安祥寺村と朱雀村の二村からなっていた････（が）････江戸時代初頭には両村は合併して安朱村となっていた」とあります。別の資料によれば、朱雀村は「安祥寺朱雀口」とも呼ばれたらしい。 　この安祥寺村については、中世に山科本願寺を建立した蓮如とも深いつながりがあります。 　延徳元年（１４８９）８月１２日に、蓮如と交流のあった安祥寺村在住の青木民部の娘（１７歳）が急に亡くなり、さらにその日のうちに青木民部とその妻も死んでしまいました。人々は唖然としましたが、それを聞いた蓮如が筆をとって書いたのが、「（意訳）人の一生のはかなさは、始めから終わりまで幻のようだ。万年はおろか、百年も生き永らえた者はいない。死は自分が先か人が先か、今日とも明日とも知れない。朝には紅顔の若者が、夕べには白骨になる。無情の風きたれば、花の装いを失って息が絶え、焼けば白骨だけが残る･･･」という有名な「白骨の御文」です。蓮如７５歳の作でした。 　寛文５年（１６６５）に、もとは上京区の出雲路にあった毘沙門堂を、僧公海がこの地に再興して以来、安朱地域は同寺院を中心として発展しました。安朱地域は、江戸時代は東海道の街道筋としてにぎやかで、奴茶屋などは旅人の休憩場所となっていました。 　明治２２年（１８８９）の市町村制施行により、それまでの宇治郡安朱村は山科村に合併され、昭和６年（１９３１）に京都市に編入されます。明治以降、この地は琵琶湖疏水の開通（１８９０）や、京阪電車京津線の開通（１９１２）、国鉄山科駅のこの地への移転（１９２１）などで交通が便利になり、山科でも一躍脚光を浴びる住宅地となりました。 　昭和１３年（１９３８）には、安朱南屋敷町に京都市山科公設市場が設営され、食料品・薪炭・雑貨洋品などが販売されにぎわいました。こうして駅前繁華街としての下地ができて、現在のラクトや三条商店街など山科駅前商店街の発展へとつながっています。一方、人口の増加に伴い、昭和４４年（１９６９）には、安朱山川町にあったそれまでの山階小学校安朱分校が独立し、安朱小学校として開校され、今日に至っています。	１１
阿弥陀寺（北花山）		【北花山阿弥陀寺】 　北花山阿弥陀寺は、正式には「等光山　浄蓮華院　阿弥陀寺」（京都市山科区北花山寺内町９）と称し、本山知恩院の末寺になっています。この阿弥陀寺の創建の詳細は不明ですが、花山にある元慶寺創建の遍照上人と、華山寺創建の愚堂東寔（ぐどうとうしょく）大円宝鑑国師との関係が深いとされています。華山寺の前身は「東山寺」と称し、その阿弥陀堂が現在の阿弥陀寺になったと言われています。 　北花山阿弥陀寺の主な寺宝は、「本尊　阿弥陀如来像　一作」「観音菩薩像　一作」「勢至菩薩像　一作」「毘沙門天　一作」で、さまざまな文献によって「本尊阿弥陀如来像は、小松内大臣重盛の念持仏」（『宇治郡名勝志』など）であると言われている。小松内大臣重盛とは、平清盛の子、平重盛のことです。	１２
「赤穂事件」の概要と山科		【「赤穂事件」の概要と山科】 元号 西暦 月・日 出来事 元禄１４年 　 １７０１ 　 　３月１４日 　 赤穂藩主、浅野内匠頭長矩が江戸城松之廊下において肝煎高家吉良上野介義央に刃傷に及ぶ。当日夕方、城地没収のうえ切腹を申し付けられる。 　 　 　３月１９日 事件が、急使により赤穂にもたらされる。 　 　 　４月１１日 赤穂城の開城、明け渡しを決定する。 　 　 　６月２５日 大石内蔵助良雄、赤穂城下を撤去し、山科の西野山に隠棲する。山科には２７日に着く。 　 　 　８月１９日 吉良上野介義央、呉服橋門内から本所一ツ目回向院裏に屋敷替えをする。 元禄１５年 １７０２ 　１月１１日 第一回「山科会議」が行われる。 　 　 　４月１５日 大石内蔵助、妻子を離別し、里に帰す。 　 　 　８月　１日 大石内蔵助、山科西野山の閉居を引き上げ、四条河原町梅林庵に仮寓する。 　 　 １０月　７日 大石内蔵助、京都を立ち、江戸に向かう。 　 　 １２月１４日 　 （１５日深夜）大石内蔵助等四七名が、本所の吉良上野介宅を奇襲し、吉良上野介義央の首を取る。 元禄１６年 １７０３ 　２月　４日 大石内蔵助等４６名が、切腹に処せられる。享年四五歳、法名は「忠誠院刃空浄剣居士」 　赤穂事件の後も、西野山と山科神社・岩屋寺は、さまざまな形でこの大石内蔵助と関わることになりました。元禄１６年（１７０３）、江戸で赤穂浪士４６名が切腹。その後、寺坂吉右衛門が内蔵助の遺髪と遺品を山科西野山の進藤源四郎に届けたと言われています。遺髪は大石旧宅跡に埋めて、安永４年（１７７５）に「遺髪塚」としたとされ、また同年「大石内蔵助良雄仮居跡碑」が建立されます。 　討入り後、内蔵助は、邸宅や田畑など一切の財産を岩屋寺に寄進したと言われています。内蔵助の辞世の句「あら楽や　思ひは晴るる　身は捨つる　浮世の月に　かかる雲なし」が有名ですが、これは主君長矩の墓に対してのもので、実際には「極楽の　道はひとすぢ　君ともに　阿弥陀をそへて　四十八人」が辞世の句であるとも言われています。 　このほか、山科には大石内蔵助に関わる話も多く伝わっています。 　まず、岩屋(いわや)寺(でら)は本堂に浅野長矩の位牌や四十七士の像が祀られているほか、収納庫に赤穂義士にちなんだ数々の遺物・遺品が保存されています。内蔵助が隠れ住んだという邸宅は現存していませんが、その跡地を示す隠棲旧址碑が残っています。また、本堂の横にある茶席は、大石邸の古材を使って建てられています。「遺髪塚」は、前述の自刃した内蔵助の遺髪を寺坂吉右衛門が持参し、祀ったといわれているものです。 　また福王寺には、大石内蔵助の隠棲地は福王寺の境内近くであったと伝わっており、本尊の地蔵菩薩は大石内蔵助の念持佛とされ、数々の遺品が残っていたといいます。江戸時代後期の巻物（一紙文書を綴ったもの）も残されていて、これによれば、文政５年（１８２２）に江戸浅草観音寺において、福王寺所蔵の大石内蔵助の遺品等１９点の御開帳が行われていたことがわかります。また、このことは今回新たに発見された山科神社の史料の中にも見られます。 　安朱にある瑞光院(ずいこういん)は赤穂藩主・浅野長矩の妻・瑶泉院と二代目住職が親戚であったところから、浅野家の祈願寺となり、浅野家断絶後、内蔵助が山科に移ると長矩の墓を建てて供養し、同志と復讐について密議する場所としたと言われています。 　また、花山稲荷神社は、内蔵助が山科に隠棲していた時、崇敬することがあつく、後年俗に「大石稲荷」ともいわれるようになった神社で、内蔵助が寄進したといわれる鳥居、同志の心底を試そうと血判させたという血判石、その上に座って沈思黙考をしたという断食石の一部が残されています。 　そして、極楽寺は西野山に隠棲した内蔵助が、浅野内匠頭の位牌を納めた寺で、鎖帷子や硯箱など、義士の遺品も多く残っています。さらに、庭にある五輪の塔は元の遺髪塚であったといわれているものです。 　滑石峠の「大石腰掛石」は、大石内蔵助が山科に隠棲していたとき、遊里に通う際にこの滑石峠を越えて行ったと言われており、泥酔した内蔵助はしばしばこの石で休憩したと伝えられています。現在この石は、大石神社境内に祀られています。 　そして、大石神社は内蔵助をはじめとする四十七士の義挙を顕彰するため、昭和１０年（１９３５）に建立された神社で、境内には御神木の大石桜があります。毎年１２月１４日に行われる「山科義士まつり」の到着地点にもなっています。	１３
「鮎止(あゆどめ)ノ瀧」（鮎戻(あゆもどり)ノ瀧）		【「鮎止(あゆどめ)ノ瀧」（鮎戻(あゆもどり)ノ瀧）】 　あまり知られていませんが、大師堂から懺坂(ざんざか)にかけての中間辺りの音羽川の中に「鮎止(あゆどめ)ノ瀧」（鮎戻(あゆもどり)ノ瀧）というのがあります。流れが早いので鮎も登れず戻ってしまう所から名がついたといいます。	１４
安履石(あんりせき)		【安履石(あんりせき）】 　牛尾山ハイキングコースの法嚴寺入口付近にあります。 　『清水寺縁起』にある延鎮が行叡を探していた時、行叡の履(くつ)がここに置いてあったという石です。	１５
愛宕常夜灯（奈良街道）		【愛宕常夜灯（奈良街道）】 　宝迎寺の前にあります。山科には、約１０ヶ所に愛宕常夜燈があり、渋谷通りの常夜燈は安政２年(１８５５)で、大塚の常夜燈は「愛宕山」と書かれ、年代が不詳ですが一番風化しており、古い時代のものと考えられます。 　奈良街道沿いの大塚地域に「愛宕山」と書かれた「愛宕常夜灯」が建っています。御陵、北花山、勧修寺地域にある愛宕常夜灯と共に、山科での愛宕信仰を物語る貴重なものです。今なお山科でも多くの家庭の台所には愛宕神社からもらってきた「阿多古祀符火迺要慎」と書かれた「火の用心」のおふだが貼ってあります。 　愛宕信仰は、京都市右京区の愛宕山山頂にある愛宕神社から発祥した神道の信仰で、京都だけでなく全国にも広まっています。言い伝えによれば、愛宕神社の神様は、「火伏せ」に霊験のある神として広く信仰されるようになり、古くから修験道の道場であって、愛宕山に集まった修験者によって江戸時代中頃から愛宕信仰が日本全国に広められたと言います。現在日本全国で「愛宕」を社名につける神社は約１０００社近くあり、祭神は「火産霊命（カグツチ）」とされています。	１６
愛宕常夜灯（小野）		【小野地域の愛宕常夜灯】 　旧奈良街道沿いの小野地域に、真新しい「愛宕常夜灯」が設置されています。 　裏面を見ると「平成八年十二月吉日建立　北部講中一同」とあります。場所から見て、「北部」とは、小野北部町内会あたりの地域ではないかと思います。 　平成８年（１９９６）建立ですから、この地域でいまだに「愛宕講」が存在しているのかも知れません。山科各地にある愛宕信仰がこの地でも生き続けているのでしょう。	１７
旭山古墳群		【京都市中央斎場・旭山古墳群】 　京都市には、元々、花山火葬場と蓮華谷火葬場等が設けられていましたが、施設の老朽化に伴い、旧花山火葬場を全面撤去して、その跡地を拡張・造成して、昭和５６年（１９８１）に「京都市中央斎場」として新たに開設されました。 　京都市のホームページによれば「当斎場は，場内に豊かな緑を配し，周囲の景観との調和に努めており，人生最後の葬送の場にふさわしい荘厳な施設となっております。」と説明されています。 　この「京都市中央斎場」の敷地内には、埋蔵文化財の「旭山古墳群」があります。 　「旭山古墳群」は、上花山旭山町・川田岩ヶ谷・今熊野総山町一帯に広がる古墳群で、標高２４０ｍの六条山山頂から南斜面にかけて方墳や円墳が２７基点在。墳形は方墳が主で、一辺約６〜９ｍ、内部主体は横穴式石室です。また墳丘をもたない小石室のみの墓２基も確認されています。 　旭山古墳については、調査された古墳はいずれも７世紀初頭のものと思われ、横穴式石室から須恵器の杯・壺・甕（かめ）、土師器の甕や鉄釘、金環、刀子（とうす・小刀）などが出土しています。	１８
旭稲荷神社（旭大明神）		【旭稲荷神社（旭大明神）】 　国道一号線で東山トンネル東入口から道が南方向にカーブしているあたりの山側に「上花山旭稲荷神社（旭大明神）」があります。創建・由緒等は不明ですが、本殿の前には稲荷神の使いであるとされている「きつね」の狛犬（狛狐）が一対祀られています。 　本殿は玉垣に囲まれており、灯籠は本殿前に一対、玉垣前に二対あります。鳥居は三基あり、明治時代のもの（明治４０年代か）と、昭和初期になってから建立されたものが二基あります。 　また、本殿から北西奥に進むと山の奥にたくさんの「御塚」が祀られており、不動明王の姿も見られます。	１９
安朱地域の歴史年表		【安朱地域の歴史年表（関連する山科全体の歴史も含む）】 元号 西暦 出来事 　 石器時代　 中臣遺跡で、後期旧石器時代（約２万年前）と思われるナイフ型石器、石核、剥片などが発見 　 縄文時代　 中臣遺跡、大宅遺跡、安朱遺跡（土器棺墓）、芝町遺跡、勧修寺旧境内遺跡、北花山遺跡などから、土器棺墓、竪穴住居跡などが発見 　 弥生時代　 中臣遺跡で、方形周溝墓や竪穴式住居跡などが発見 　 古墳時代　 中臣遺跡で、横穴式石室、竪穴式住居跡。その他西野左義長町遺跡、大塚「皇塚」など。社伝では岩屋神社（仁徳天皇31年）、日向大神宮（顕宗天皇時代）創建 天智　８年　 　６６９　 日本書紀「天智天皇山階（科）野に狩猟」（山科の初見） 中臣鎌足「陶原館」の跡、精舎（山階寺）を建立 安朱遺跡（竪穴住居）（安朱遺跡は、飛鳥時代から鎌倉時代にかけての集落跡で、特に平安時代前期の「木炭木槨(もつかく)墓」が注目されている） 天武　３年 　６９９ この頃、天智天皇山科陵が完成する 　 奈良時代　 後山階たたら遺跡・御陵大岩たたら遺跡・四ノ宮熊ヶ谷たたら遺跡（以上、大鍛冶）などで鉄を生産し、大塚遺跡（小鍛冶）などで刀や矢先などの武器を製造していた。 嘉祥　元年 　８４８　 藤原順子の発願で、僧恵雲によって安祥寺が創建される。元の場所は、現在の安朱地域と考えられている。安朱・上野・御陵地域に広がる広大な寺地を有し、貞観年間頃には山上山下に塔頭700余を数え、寺領は天智天皇陵以東、山科一帯に広がっていたという。（安祥寺上寺経塚遺跡・安祥寺上寺遺跡など） 貞観　元年　 　８５９　 仁明天皇第四皇子人康親王が四ノ宮の山荘に住む 貞観１０年 　８６８ 遍昭の発願で元慶寺が建立される 貞観１３年 　８７１ 藤原順子没（後山階陵） 昌泰　３年　 　９００　 醍醐天皇が生母藤原胤子の追善のため勧修寺を建立 正暦　２年　 　９９１　 曼荼羅寺（のちの随心院）が建立される 仁安　２年 １１６７ 後白河上皇が山科御所を建立（大宅） 平安鎌倉　 平安時代末期か鎌倉時代初期後期につくられたと思われる「山科郷古図」（勧修寺） によれば、山科には条里制がひかれ、東から一条〜九条、南から一里〜十九里となっている。一区画は約６５４ｍ。安朱地域は三条十九里に相当し「石雲北里」の里名を持つ。 安貞　元年 １２２７ 来迎寺創建 　 鎌倉時代 安朱遺跡 天授　３年 １３７７　 安祥寺寺務を高野山が兼務。（南北朝の頃）安祥寺上寺は廃絶したらしい 応永　３年　 １３９６　 後小松天皇が大般若経６００巻を三之宮に寄進 応永２２年　 １４１５　 （この頃は、安祥寺村・朱雀村に分かれていた）「山城国安祥寺朱雀口は馬場より西三段目に在り」（『勧修寺文書』） 文明１０年　 １４７８　 蓮如が西野（当時は野村）地域に山科本願寺を建て始める 明応　８年　 １４９９　 蓮如上人没（荼毘にふされた場所に御廟所建立） 天文　元年　 １５３２　 山科本願寺が法華宗等の襲撃によって焼かれる 天文　３年 １５３４ 「山科祭」が催される 天文１９年　 １５５０　 南禅寺第260世雲英正怡(うんえいしようい)禅師が四ノ宮地蔵（徳林庵）建立 天正１０年 １５８２ 明智光秀が小栗栖の里で刺される 文禄　元年　 １５９２　 〜１８１５（元和元）安祥寺が現在地付近に移設（一説） 慶長　６年　 １６０１　 徳川家康、山科１８ヵ村６５００石を禁裏御料地に（含安朱） 慶長　９年　 １６０４　 五街道に「一里塚」を置く、山科は大宅と御陵の２カ所 慶長１７年 　 １６１２ 　 安祥寺寺地が高野山に返付され寺観整備 慶長１８年　 １６１３　 安祥寺村と朱雀村が合併して安朱村になる「村高２４９石３斗３升４合　安朱両村」（『山科七郷御前帳覚』）「安朱（村名）　藪下東に在り。元朱雀・安祥寺二村也、今合わせて安朱と云ふ」（『山城名跡巡行志』） 寛文　元年 １６６１ 〜７３（延宝元）秀典寺創建 寛文　５年　 １６６５　 公海が、京都（上京区）の出雲寺を山科に持ってきて毘沙門堂として再建する。以降、安朱地域は同寺を中心に栄える。 寛文　５年 １６６５ 双林院創建 寛文　６年　 １６６６　 幕府は、安祥寺寺地のうち１０万坪を毘沙門堂に譲らせ、安祥寺には高１０石を付与する 寛文　９年　 １６６９　 毘沙門堂法嗣に後西天皇第六皇子（貴宮）がなり、門跡寺院に。「寛文五年乙巳、山城国宇治郡山科郷の地を開き、毘沙門堂を創建し住す。寛文九年己酉九月三日奉請して後西院帝第六皇子貴宮毘沙門堂御法嗣となす」（『輪王寺宮年譜』） 延宝　元年　 １６７３　 安朱村、禁裏御料地から毘沙門堂領になる 元禄　４年　 １６９１　 ドイツ人医師ケンペルの旅行日記に奴茶屋で休憩したことが記載「ここでわれわれ（ケンペル一行）は１時間を過ごし、長々と続く日ノ岡村を過ぎ、京から一里の奴茶屋まで一筋の狭い道を通って行き、そこで茶を飲んで、酒で重くなった頭をいやした」（ケンペル『江戸参府旅行日記』３月２日） 元禄１４年　 １７０１　 大石内蔵助が西野山（現在の岩屋寺あたり）に隠れ住む 宝永　４年　 １７０７　 沢村道範が「五条別れの道標」を建てる 享保１４年　 １７２９　 安朱村の石高は２３５石斗５升９合（『山城石高八郡村名帳』） 享保１７年 １７３２ 西本願寺山科別院が東野にできる 享保２１年　 １７３６　 木食上人が旧東海道の日ノ岡峠を改修、人馬道碑を建てる 元文　２年 １７３７ 東本願寺山科別院が竹鼻にできる 天明　７年　 １７８７　 毘沙門堂に祥瑞(しようずい)の鳥（白鷺(しらさぎ)）が現れ、幕府が捕獲を厳禁する。 文化　２年　 １８０５　 大津〜日ノ岡峠間に「車石」が敷設される 文政　７年　 １８２４　 山科全域を襲った干ばつで飢餓に苦しむ人多数 天保　４年　 １８３３　 毘沙門堂修復のための冨興行が誓願寺（寺町三条下）で催される 文久　２年　 １８６２　 山科郷士の山科出張所（富小路竹屋町）ができる 慶応　３年 １８６７ 山科郷士「郷中盟約」→山科郷士隊 明治　５年　 １８７２　 西本願寺山科別院に東野校（のちの山階校）開校 勧修寺内に勧修校開校 山科郷士に移住地として東京新宿の一画を付与 明治　９年　 １８７６　 戊申戦争従軍功賞として千葉県東山科村の土地を付与 明治１０年 １８７７ 日ノ岡峠の改修工事完成 明治１２年　 １８７９　 京都〜大谷間に鉄道が開業（山科駅は現在の小野地域にあった） 明治１３年　 １８８０　 東野校が西野大手先町に移転し山階校となる 明治１４年　 １８８１　 千葉県東山科村の開拓を中止、郷士たち山科に帰る 勧修校が現在の場所に移転 安朱村の税地「田１４町３反９畝５歩５厘　畑３町１反４畝２７歩３厘　新畑１町７反４畝２９歩」。戸数「本籍８７戸（士族８戸、平民７９戸）寺七戸（天台宗１宇、浄土宗１宇、日蓮宗２宇、支院３宇）総計９４戸」。人数「男１９９口（士族１４口、平民１８５口）女１９７口（士族２６口、平民１７１口）総計３９６口」。牛馬「牡牛２７頭、牡馬１頭」。舟車「荷車１０輌（中小車）」。物産「茄子１００荷、松茸３０貫目。以上、京に輸送す」。民業「男（農業１０戸、余は雑業）、女（夫業に従う）」（『京都府地誌』） 明治１９年 １８８６ 田中警察署安朱分署設置 明治２２年　 １８８９　 宇治郡山科村となり山階校内に役場が発足する。 初代村長は北花山の柳田謙三 明治２３年 １８９０ 琵琶湖第一疏水が完成 明治３３年　 １９００　 竹鼻に高坂織物工場創設、以後続々と工場ができる この頃、護国寺馬場が消滅、境内に道が通る（山科京極） 明治３４年　 １９０１　 安朱の山科疏水沿いに母子地蔵堂が建立 明治３６年 １９０３ 山科郵便局が四ノ宮で開局 明治３９年 １９０６ 安祥寺寺宝塔が焼失 明治４２年　 １９０９　 道標「本願寺両別院」建立（三条街道沿い・現在は山科駅前） 大正　元年　 １９１２　 京津電鉄（三条〜大津札の辻）開業 安朱に近江銀行大津支店山科出張所開設 大正　３年　 １９１４　 安朱地域の安祥寺川筋井堰(せき)が改築される（安朱桟敷２１番地） 大正１０年　 １９２１　 京都〜大津間の鉄道が現路線に変更（旧国鉄・東海道線） 京津電車が毘沙門駅を廃止し、「山科駅前駅」を設置する 道標「本願寺両別院」が山科駅前に移転 大正１１年　 １９２２　 鐘紡が、日本絹布を買収、鐘紡山科工場になる 大正１２年 １９２３ 志賀直哉、竹鼻に住む 大正１４年　 １９２５　 東野にゴルフ場がができる 安朱に八幡銀行山科出張所開設 大正１５年 １９２６ 宇治郡山科町となる 昭和　２年　 １９２７　 山科映画館が竹鼻に開館（竹鼻新道西） 和楽園造成（竹藪２０００坪を開拓） 昭和　４年 　 １９２９　 京都大学花山天文台完成。一燈園が四ノ宮に開園 山科郵便局が四ノ宮より、山科駅前へ移転 昭和　６年　 １９３１　 宇治郡山科町が京都市に編入。京都市東山区山科となる 京都刑務所が東野に移転 昭和　７年　 １９３２　 山科警察署が竹鼻に開署 京都薬学専門学校（現京都薬科大学）が御陵に移転 昭和　８年 １９３３ 京津国道（現三条通）が開通 昭和　９年　 １９３４　 蓮如上人立像が西野にできる（昭和１９年、供出のため撤去） 山科郵便局移転（現三条通・外環西） 昭和１０年 １９３５ 大石神社が西野山に創建 昭和１３年　 １９３８　 山科駅前通りに山科公設市場（安朱南屋敷町）が開設 昭和１８年 １９４３ 東野のゴルフ場が閉鎖される 昭和２０年　 １９４５　 〜４６　ＧＨＱ進駐により将校の家として安朱の７軒の洋館が接収 昭和２２年　 １９４７　 大石順教尼の障害者福祉施設を仏光院とする 山科中学校を新設（山階校に併設、24年に現在地に移転） 昭和２６年　 １９５１　 疏水の舟運が60年間の操業を終える 東山区役所山科支所が竹鼻に開所 昭和２７年 １９５２　 京津国道（現三条通）が国道一号線となる 昭和３０年　 １９５５　 前年度開校した京都府立洛東高等学校が安朱地域に移転 昭和３１年　 １９５６　 東海道線（米原〜京都）の電化が完成 モデル団地として、勧修寺第一市営住宅建設 昭和３３年　 １９５８　 全国初の高速道路、名神高速道路の起工式が山科で行われる 昭和３４年 １９５９ 東山ドライブウェー開通 昭和３７年 １９６２ 瑞光院が安朱地域に移転してくる 昭和３８年 １９６３ 名神高速道路（栗東〜尼崎）開通 昭和３９年 １９６４ 東海道新幹線（東京〜新大阪）開通 昭和４２年　 １９６７　 外環状線（山科〜観月橋）開通 五条バイパス（現国道一号線）開通 橘女子大学（現京都橘大学）が大宅に開校 昭和４３年　 １９６８　 清水焼団地完成 新山科浄水場完成 京都市立山階小学校安朱分校が開校（４月２０日、安朱山川町） 昭和４４年　 １９６９　 中臣遺跡が発見される 山階小学校より分離独立して安朱小学校が開校する（4月4日）山階小学校区のうち、三条通以北を校区と定める。 昭和４５年 １９７０ 鐘紡山科工場が滋賀県長浜へ移転 昭和４６年　 １９７１　 鐘紡山科工場跡地に山科団地、山科中央公園などが建設される（〜1975、昭和50） 昭和４７年　 １９７２　 東山区役所山科支所が竹鼻から椥辻に移転 昭和４８年 １９７３ 山科疏水公園が完成（元：瓢箪ダム） 昭和４９年 １９７４ 湖西線（京都〜近江塩津）開通 昭和５１年　 １９７６　 東山区から分区し、京都市山科区となる 昭和５３年　 １９７８　 安祥寺上寺で礎石等が発見される（基檀・礎石・須恵器・瓦） 昭和５４年 １９７９ 春秋山荘が安朱に移転 昭和６３年 １９８８ 野外活動施設「やましなの家」開設 平成　元年 １９８９ 山科駅前再開発事業計画決定 平成　５年　 １９９３　 山科駅前再開発事業着工 「ポンテリカ」（仮店舗の逆）開設 平成　９年 １９９７ 地下鉄東西線（二条〜醍醐）開通 平成１０年 １９９８　 山科駅前再開発、ＲＡＣＴＯ山科完成 「ポンテリカ」廃止（跡地はラクト公園） 山科駅前に、大丸山科店・フードショップ開店 平成１１年 １９９９ 竹鼻のヨシボー（旧吉村紡績）が閉鎖される 平成１２年　 ２０００　 ヨシボー（旧吉村紡績）跡に複合商業施設が開店する 山科疏水の安朱橋の改修工事が行われる 平成１６年 ２００４ 地下鉄東西線が延長され、六地蔵までとなる 平成２８年 ２０１６ 山科区誕生４０周年記念行事が行われる	２０

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