鏡山次郎ＨＰ

ふるさとの会文章部会　なにば　編

（ふるさとの良さを活かしたまちづくりを進める会　文章部会　部員）

雪景色（写真は本文とは直接関係がありません）

雪の日のワンちゃん

　山科にも雪が降りました。山々もうっすらと雪化粧で、新鮮な気持ちになります。住宅の屋根も自動車の屋根も白くなり、ちょっと寒そうに見えますが、きれいです。雪で風景が一変したので、ぶらぶら歩きをしてみることにしました。

　ある家の軒下にとても小さな雪だるまがいるのを見ました。少ない雪をかき集めて作ったのでしょうね。目はペットボトルの青いふたです。首に赤いバンダナを巻いて、なかなかおしゃれです。

　こんな雪の日でもワンちゃん達はお散歩にはげんでいます。

　飼い主さんよりも大きな黒い犬がぐちぐちした雪道をゆっくりと歩いていました。毛がもこもこであたたかそうです。雪が降って、喜んでいるようでした。とてもおとなしくて、やさしい目をした犬です。目が合ったのでなでなですると、にっこり笑ってくれました。犬種はニューファウンランド、略して「ニューフィ」。カナダの地名でもあります。カナダでは救助犬としても活躍しているようです。大きい犬はたいていおっとりとしていて、おとなしく、温和な感じです。山科でこんな珍しい犬に出会うなんてびっくりです。

　大型犬の中には、用心棒の役割をするド―ベルマンや警察の手伝いをするシェパードなど、強面の犬もいますが、優しい顔を見せてくれるニューフィーやラブラドール・レトリーバーのような犬もたくさんいます。ペットとして心を慰めてくれるだけではなく、人間とともに働く犬が私は好きです。

　次に出会ったのは小さなチワワ。猫よりも小さく、目が大きくて、洋服を着ています。飼い主さんにだっこされていますが、雪の日は嫌いなのか、泣きそうな顔でぶるぶる震えています。ずっとだっこされたままなので、犬の運動にはなりません。飼い主さんだけがウォーキングをしているのです。このチワワは暖かい部屋の中に籠っていたかったのではないかと、ちょっと気の毒に思いました。


　私は小型犬にはさわりません。小さい犬はたいてい神経質でよく吠えます。ときどき洋服を着た小型犬を見ますが、私は疑問を持っています。犬は洋服が好きなのでしょうか。飼い主さんは防寒のために犬に服を着せるのか、それともかわいい服を着せて見せびらかしたいのか、どちらでしょうか。

　その後会ったのは柴犬です。柴犬は大きくもなく小さくもなく、和風のショウユ顔で、親しみがわきます。楽しそうにジャンプして飛びかかってきたので、なでなでしました。犬の脚が濡れていたので、私のズボンも濡れましたが、時間が経てば乾くので、気にしないことにしました。

　ただし、どんな柴犬にも触れていいかどうかは微妙です。にこにこして近寄ってきてくれたらもちろんなでなでしますが、横目でにらんでくる「ガンとばし犬」には絶対に触りません。犬も性格がいろいろですから、ヤンキータイプの犬には気をつけます。

　雪の日に白くなった近所の風景の中で犬を観察し、散歩の時間を楽しみました。帰り道、さっきの雪だるまはもう崩れていて、ペットボトルの目も下に落ちていました。かわいそうに・・・。

　山科で雪は珍しく、雪景色が楽しめるのはほんのひとときです。この日出会ったワンちゃん達にもまた会えるかどうかわかりません。ひとときを大切にしなければなりませんね。（なにば　２０２２．２．２２）

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