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【復刻】 山科町名蹟誌 
（９）
鏡山次郎 著
『山科町名蹟誌』（大正１５年・１９２６年１０月）山科町役場発行
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一 | 山科町 | ||
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一 | 小野 | ||
| 隨心院 | 牛皮山ト号ス、真言宗小野派ノ本山ニシテ隨心院門跡又小野門跡ト称ス寛仁二年（九百年前）仁海僧正ノ創建ニ係リ曼荼羅寺（又小野寺ト云フ）ト号ス文明乱ニ激壌シテ後再興ヲ見サリシモ慶長四年仁海僧正五世法嗣増俊阿闍梨今ノ地ニ本寺ヲ建立シ六世親嚴僧正 後堀川帝ノ祈願所宣旨ヲ賜リ之ヨリ代々摂家ヨリ入室相承ス 新拾遺集 栄海僧正 言の葉を 散らさすもがな 雲井まで 吹きつたへたる 小野の山風 |
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| 小野小町旧跡 | 小野郷ハ小野朝臣ノ邑ニシテ其女小町ノ遺跡ト伝 フリモノ左ノ如シ 一、小町住跡 隨心院境内藪中ニアル古井ハソレナリト云フ 一、化粧橋 小町化粧水ノ流レ出タル小川ニ架セル橋ナルヲ以テ此称アリト。 一、文地蔵 隨心院ニ在リ、当時艶書ヲ寄スルモノ多カリシモ皆却ケテ肯セル後自ラ罪障ノ深キヲ慮リ 其書ヲ集メ地蔵尊ヲ作ルト。 一、文塚 隨心院墓後ニ在リ艶書ヲ埋メシ塚ナリト云フ老松ノ下古塔アリ 一、深草少将通道 化粧橋ヨリ五間西側藪中ニアリ古ハ深草ヘ達スル道路ナリシモ豊公伏見在城ノ節訴訟アル者此路ヲ行クニ本懐ヲ達スル者無カリシニヨリ先兆不吉ノ故事ヲ伝ヘ廃道トナリシト云フ。 一、榧ノ老木 隨心院附近処々ニ在リ、今九本ヲ存ス小町深草少将ノ死ヲ憐ミ己カ罪障ノ深キヲ歎キ甞テ少将ノ通ヘル敷ヲ記スル為メ糸ニ綴キシ榧實ヲ播種セルモノナリト伝フ。 |
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一 | 奥付 |
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