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　会報　ふるさと通信　１００号　

（発行日　令和６年（２０２４）１２月９日（月））

ふるさと山科再発見　第７回　山科の遺跡・遺産巡り　中臣遺跡コース（２０２４．１１．１０実施）

このページでは、ふるさとの会（正式名称：ふるさとの良さを活かしたまちづくりを進める会）の会報　「ふるさと通信」１００号の紹介をしています。

（紙面の内容と一部異なっている部分があります。正式には紙面の会報をご覧下さい。）

（３）第７回　山科の遺跡・遺産巡り（中臣遺跡）－－11月10日（日）講演とウオークに６２名が参加

　ふるさとの会では、「第７回　山科の遺跡・遺産巡り」（中臣遺跡コース）に関して、４月８日（月）の史跡部会で実施計画を作成してから当日に至るまでに、さまざまな取り組みを行ってきました。

５月２１日（火）に第１回下見を８名で実施、６月１０日（月）には部会で検討会を行っています。７月１６日（火）には「中臣遺跡」に関しての勉強会を実施、９月１日（日）から参加者募集を行いました。最終的には参加申込み者５２名・スタッフ１８名、合計７０名となりました。９月１７日（火）に第２回下見を実施、これには京都橘大学の学生スタッフも参加してくれました。１０月１４日（月）には史跡部会において、１１月の最終下見や１１月１０日（日）本番の参加者数、日程詳細案を検討して確認しました。そして１１月４日（月）に第３回（最終）下見を行い、当日のコース・時間・安全上の注意点などについて最終確認を行いました。

　本番の１１月１０日（日）は、１２：００に山科区役所（２階大会議室）にスタッフが集合し、打合せの後準備に取り掛かりました。橘大からは中久保辰夫先生と学生スタッフ５名が参加していただきました。１２：３０からＡ班・Ｂ班・Ｃ班の３カ所に分かれて受付を開始。参加費をいただき当日資料・橘大作成の資料、名札を渡します。

　１３：００から開会、司会は浅井定雄事務局長が行い、開会挨拶を林則子副代表、また来賓挨拶を山科区役所の有本まちづくり推進課長にしていただいました。今回、講演のため特別に大会議室を借りることができましたのは、山科区役所のご理解とご協力によるものと感謝しています。

　１３：０５から１３：４５まで、中久保先生による講演『ふるさと山科再発見　中臣遺跡をあるき、歴史の積層（考古学）にふれる』があり、冒頭に、スタッフとして参加された学生５名の紹介が行われ、会場から盛大な歓迎の拍手が送られました。続いて講演にうつり、中久保先生は、今回の遺跡巡りのために学生と共に作成された同題のパンフレットをもとに、今回のコースでの見どころや、古代豪族中臣（藤原）氏との関係、出土品や古代土器、古代の時代背景などに関して、わかりやすく、ていねいに解説されました。

　１３：４５から１３：５２まで、浅井事務局長から．今回の遺跡巡りのコースや注意点、傷害保険などの説明が行われ、その後、参加者はトイレなどを済まし、１４：００から各班に分かれて出発しました。若干の欠席もあり、Ａ班は１９名・Ｂ班は２２名・Ｃ班は２１名となりました。

　１４：００からＡ班を先頭に、Ｂ班、Ｃ班の順番に出発しました。当初は、「①区役所前展示、②ナイフ型石器発見場所、③折上稲荷古墳、④中臣神社（集会所・トイレ）、⑤宮道古墳【学生さん解説】、⑥西金ヶ崎公園石碑（トイレ）、⑦坂上田村麻呂古墳、⑧勧修小学校の展示、⑨勧修寺第二市営住宅前石碑【解説後・学生さんの話】、⑩山科区役所前（椥辻駅改札横展示の紹介）、16:00到着・まとめをして解散」の予定でしたが、若干の変更点もありました。

　区役所前展示は、展示をきれいにして見やすくしていただいていました。また、コースの中に（下見の時）側溝の危険な所があったため、当日は回避コースをとり、事故は未然に防ぐことができました。また、中臣神社では、地元の中臣町内会の方が集会所を開放していただいたので、トイレ場所を確保することができました。時間の都合で十分に活用することはできませんでしたが、もし天気が雨天であったなら、どんなに助かったことだろうと、地元の方のご協力に感謝をしたいと思います。宮道古墳では、橘大の学生さんによる解説が行われました。この解説のために学生さんたちも勉強して備えたと聞き、学生さんの解説は、新鮮で、参加者にも大いに喜ばれました。また、勧修小学校本館２階の展示は、今回の遺跡巡りのために、「少しでも見やすいように」と、学校側が展示場所を１階職員室前から２階へと移し、新たに表題を加えるなど、展示をきれいにして、見やすくしていただいていました。学校のご配慮に感謝したいと思います。勧修第二市営住宅前のパネル石板の説明の後、橘大の学生さんから本日参加の感想を述べていただきました。参加者にも大変好評でした。また、この場所での解説には、橘大作成のパンフレット（ｐ４解説とｐ５遺跡図）が大変有効でもありました。

　定時に、解散地点の山科区役所前に到着しました。各班で名札とアンケートを回収し、全体が揃ったところで、住友正歳代表が閉会挨拶を行い、中久保先生、参加学生スタッフの感想もあり、１６：１５頃に終了しました。また、その後スタッフが集まり、共有すべき点（特に大きな問題点は出されなかった）などを確認して散会しました。

　今回の取り組みの大きな成果として、橘大学の協力と学生さんのスタッフ参加があり、参加者も喜ばれていたし、遺跡巡りも内容が充実したものになったという点でした。この背景には、ふるさとの会が「若い人たちとの繋がりをつくっていく」ことを念頭に中久保先生の協力のもと、今まで大学側と、データの「３Ｄ（三次元）化」や「戦没者墓碑調査」などを協力して取り組んできた一つの到達点として捉えられるのではないかと思います。また同時に、今回の遺跡巡りは、京都橘大学・山科区役所・西野山中臣町町内会・勧修小学校など各団体の協力のもとに行うことができたことも大きなことでした。近年、参加者の高齢化に伴い、スタッフが配慮しなければならない人や課題が多くなってきていますが、反面スタッフの数が不足しており、また新しいスタッフが参加者支援に慣れていない面もあり、課題もあったと思います。ふるさとの会では、今までの資料や経験など蓄積されたもの（例えば『山科事典』ｐ５４０～５４１などに詳しい）は多くありますので、そうしたことも学びながら、これからも区民の方々に「山科の魅力」を紹介する取り組みをがんばっていきたいと思います。

＊本サイト掲載の記事、写真等の無断転用をお断りします。（ふるさとの良さを活かしたまちづくりを進める会）