勧修小学校 奇跡の一日
１９３４　０９２１　その時 何が！？
−−７００名の命はこうして救われた！−−

鏡山次郎　著

テント教室

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テント教室

こうして、第一室戸台風により、講堂の全壊、校舎が大破し２１教室が使えなくなるという大きな被害の中でも、勧修小学校では、１人の死者・負傷者も出しませんでした。 　当時１年生だった上門俊夫（うえかどとしお）さんは、後に「怪我一つなく無事帰宅できたことは何よりの喜びであった。････８０歳を迎えたが、　我が人生でこれ程までの長時間に渡って危険に曝（さら）されたことはあの室戸台風以外にない。当時の私達勧修校の児童生徒は猛台風の被災を経験し、その時の辛抱強さ・我慢強さ・忍耐強さ、そしてその精神力は忘れられないのでありますが、船越校長先生をはじめとし各先生方の適切なる判断・処置により私達の生命を守って下さった各先生方のご冥福をお祈り申し上げます」と述べられています。 　その後、勧修小学校では、昭和９年の９月から１１年１１月までの約２年間は、運動場内の北側に５教室分の「仮校舎」（テント教室）を設置してしのぐこととなりました。 　また、北校舎の西半分４教室と、南校舎東側の４教室分を修理し使用することとなり、さらに不足分については、高学年が勧修寺の建物の一部を借りて学習することもあったと記録されています。

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